レジオネラ属菌とは

レジオネラ属菌は、0.3~0.9×2~20μmの好気性グラム陰性桿菌で、通常は1から2本の極毛によって運動し、多数の繊毛を持っています。自然界の土壌中や淡水に生息し、他の細菌類 や藻類の代謝産物を利用し、アメーバなどの細菌捕食性原生動物に寄生して増殖します。

空調設備の冷却塔や浴槽などの水利用設備には、土埃や補給水に含まれて混入し増殖するといわれています。菌を含んだ微細な水滴(エアロゾル)を人が吸入すると、抵抗力の弱い人がレジオネラ症に感染します。

尚、レジオネラ(Legionella)は細菌学の属名であり、そのあとに例えばニューモフィラ(pneumophila)のような種名を組み合わせ菌種名を特定します。現在のところ、50の菌種*が命名されていますが、ここではそれぞれの菌種名は言わずに属全体を包括的に指して、レジオネラ属菌と言うことにします。

海外での感染事例は数多く、展示会の循環浴槽が原因の感染例や、園芸用の袋入りの土と共にレジオネラ属菌を吸入して感染した例も報告されています。日本でもビルでの集団感染や、病院での院内感染に加え、最近では温泉施設での集団感染が多数報告されています。レジオネラ症を防止するために、ビルや病院の冷却塔、加湿器、給湯設備、温泉施設や公衆浴場などレジオネラ属菌の感染源となる水利用施設の適切な維持管理、レジオ ネラ属菌防除対策の徹底が求められています。

レジオネラ属菌の増殖とバイオフォルムの関係

冷却水や浴槽水にレジオネラ属菌が定着・増殖する要因として、バイオフィルム(生物膜)が重要であることがわかってきました。

●バイオフィルムでの増殖●
微生物は増殖しやすい環境を自ら作り出すために、体外は膜を形成します。バイオフィルムは数多くの細菌や微生物から成り、ぬめりを帯びその内部は外部の影響を受けにくくなっています。レジオネラ属菌もバイオフィルム中で増殖することが知られており、増殖したレジオネラ属菌は、少しずつ水系に放出されます。
冷却水や浴槽水などで薬品処理を行っても、レジオネラ属菌が充分に殺菌されない場合があります。
バイオフィルムが存在するため、レジオネラ属菌に対する薬品の効果が行き届かないと考えられます。
冷却水や浴槽水などのレジオネラ属菌対策を検討する際にはバイオフィルムの存在を考慮し、それらもあわせて除去する対策を行う必要があります。

 

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